小児の肥満について vol.2

前回の続きになります。

小児肥満症の診断基準について

小児肥満症の診断基準は難しいです。

実際には、健診で担当の先生から肥満症と診断されるかどうかで判断となります。
診断された場合は、下記に記載した基準に当てはまっているということになります。
一応記載します。

まず、肥満度が20%以上あることが条件です。

加えてA項目である、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、糖尿病、内臓脂肪型肥満、早期動脈硬化のうちの1つがみられると診断確定となります。

その他、肥満度が50%以上で
B項目である、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、高インスリン血症、黒色表皮症、高TG血症、高non HDL-C血症、低HDL-C血症、高尿酸血症(6mg/dl以上)が1項目みられた場合

肥満度が50%未満でB項目が2つ以上を満たすと診断確定となります。
こんなの見せられてもよくわかりません。
実際に該当した項目について担当の先生に質問してみてください。

小児メタボリックシンドロームについて

肥満、肥満症、メタボリックシンドローム、意味あいがよく似ていて混乱しますよね。
ただ肥満症とメタボリックシンドロームは治療が必要な状態であることは変わりありません。

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満(つまり腹囲が80cm以上)があることが条件で、あとは肥満症の診断基準とほぼ同じです。
肥満症と同じく、きちんと専門医のフォローがされることが重要です。
つまり肥満に伴う合併症を予防する、また早期発見する必要があるからです。

治療について

治療に関しては、体重を減らすことではなく、内臓脂肪を減らすことで肥満に伴う合併症の数を減らすことが目標です。

そのために、食事療法、運動療法、行動療法と大きくわけて3つに分類されます。もちろんこの内容は専門機関で行われます。確認していきましょう。

食事療法について

食事療法の実際は専門機関の管理栄養士の先生から栄養指導をしていただくことになるのですが、おおまかな内容を説明します。

まず3日間のメニューを分析をします。なぜ摂取エネルギーが多いのかを検討すると概ね3つのパターンにわけられます。

1:お米、パン、甘いのもの好きの糖質過剰タイプ
2:おやつ、ジュースが多すぎの糖質・脂質過剰タイプ
3:おかずばっかり食べる脂質過剰タイプ

この3つのタイプにわけることで重点的に何を制限すれば効率的なのかを相談していきます。

ただ、共通して言えることは、「ジュース、スナック菓子、菓子パンは絶対禁止です!!
必ず飲み物はお茶ないしお水です。
ジュース、スナック菓子、菓子パンは家に置くことを禁止します!!
そのため、家族の協力が大変重要となります。

またよく聞く質問に「おかわり」があります。
よく食べ、よく運動するからダメ?という質問です。
また親御さんからも成長期なのに食べるを我慢させるのは可哀想ではないか?とも質問されます。

給食でおかわりは禁止する指導もありますが、私は「おかわり禁止」よりも「おかわりまで20分ルール」がよいと思っています。

肥満症のお子さんは「早食い、噛まない」という食べ方の特徴があります。
そのため「実際におかわりはしてもいいけど、20分経過してからにしようね」と指導すると、意外とおかわりをしなくなるのです。(少しゆっくり食べるようになる、また血糖値が上がってくるため本人が満足する)
もちろん小皿に盛ったり、小分けに食事を提供することで食事の満足度をあげるよう工夫するのも大事な指導内容になります。
ぜひ試してみてください。

また、食物繊維が不足していますので、野菜、きのこ、いも類、海藻なのを積極的に摂取してもらいます。
可能であれば1つの種類を多く食べるより、種類を増やして少量ずつ摂取するほうがよいです。

タンパク質に関しては足りていることが多い(みんなお肉大好き)ため、脂の少ないお肉に変更し、調理法を変更することで対応します。

教科書的にはもっと細かく指導する(1日の摂取カロリーの目標とか、タンパク、脂質、炭水化物の比率とか)のですが、まずは概ねこの内容でよいと思います。
詳細は管理栄養士の先生に相談ください。

次回は運動療法と行動療法に続きます。

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