小児の肥満について vol.3

前回の続きになります。

運動療法について

可能な限り運動をすることで消費エネルギーを増やすことを試みます。
ですが、大半が運動嫌い、動きたくないというお子さんが多いのが実際です。

そのため、まず日常生活での活動量を増加させるように促します。
具体的には、歩くことを増やし、家事の手伝いをさせることです。
これらをすることで、座ったり、寝転がる時間を減らすことが目的です。

次に本人が好きな運動や外遊びを積極的に行うことです。

ややきついなと感じる程度(心拍数120-140拍/分)で20-30分以上、週2-3回でおこなってもらいます。
教科書的には、1日あたり500-1000歩(外遊びを10-15分)増やし、最終的には合計60分程度行うと記載がありますがなかなか難しいものです。

大事なポイントは「何をするか自分で決める」です。自分で出来るかなと思うことを決めて、実際に出来た場合、小さな達成感と成功体験を得る事が出来ます。
これを徹底的に積み上げていきます。
食事療法でも同様ですが、やらされるのではなく、自分が決めるということがなにより大事だと思います。

行動療法について

行動療法は具体的にはセルフモニタリングといって自分で監視することがとても大切です。

具体的には、毎日体重を測定し記録します。記録が大事でカレンダー等に記載することで毎日の変化を確認します。

肥満児においては、現在の体重をキープすることが何よりも重要です
身長が伸びて、体重が現状維持できればそれは相対的な減量を意味します。
その際に成長曲線をよく利用しますので、全て自分で記録して振り返ることが大切です。

最後にもう一つ重要な点は親御さんも同様に治療に参加することです。
肥満のお子さんの親御さんが肥満である場合、7割が成人肥満に移行することが分かっています。
そのため必ず親御さんも協力していただくことがとても重要な条件です。
親が高脂肪食や甘いものを食べていてはお子さんの肥満は改善しませんし、ご褒美に食べ物を使用していても肥満が改善するわけがありません。
そして子どもの小さな成功体験を見つけてあげて、いっぱいほめてあげること。
すごく重要なポイントです。本人のモチベーション維持は親御さんにかかっているといっても過言ではありません。
最終的には親自身が望ましいモデルとなることが必要です。
(実際これが1番難しいのですが。。。)

まとめ

3回にわたって説明をしてきました。
まずは自分の肥満度を計算するところから始まります。
エクセルファイルをダウンロードするか、スマホで「肥満度、計算」等で検索すると簡単に調べられるサイトが出てきますのでそこでチェックしてみましょう。
学校で肥満度が高い場合は検診となります。
採血を行い結果を判断します。専門医に紹介となった場合は治療の項目を確認ください。
1番大事なポイントは成人での生活習慣病の発症をいかに予防するかです。
小児科医は日々お子さんの健康を考えながら仕事をしています。
一緒に頑張っていきましょうね!

なんとか私の検診日までにブログの作成が間に合いました笑。
これで安心して本日の検診に向かうことが出来ます。

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