保育園での登園自粛が解除され、鼻水のお子さんが増えてきています。
そんな中、病児保育を利用したいと相談された親御さんから、病児保育での感染対策を質問されました。
当施設では他施設と比較し徹底した感染対策を行っています。
詳細に説明したいと思います。
この記事の目次
はじめに
まず、当施設は24時間換気システムを導入しています。
そのため窓をあけなくても1時間で部屋の空気の半分以上入れ替わるシステムになっています。
これは1、3階のクリニックと2階の病児保育の全てに導入されています。
現在は新型コロナウイルス感染対策のため全ての窓を常時開放、定期的に入り口のドアと裏口のドアを開放し全体を換気しています。そして業務用空気清浄機を使用しています。
次に病児保育についての特徴を1つずつ説明していきます。
病児保育の感染対策 陰圧機
病児保育 ペンギンルームでの1番の特徴は陰圧機です。この機械は新型コロナウイルスが流行する前である開院時から導入しています。
これはACE 4000という機械です。
下記に商品の詳細を添付します。詳しく確認されたい方はこちらからご確認ください。
https://www.ej-protect.jp/wp-protect/wp-content/uploads/2020/03/ace-4000_catalog2020.pdf
この機械は陰圧室として使用できますので、新型コロナウイルスのPCR検査や患者さんを管理をすることも可能です。(もちろん病児保育ではやりません!)
それくらい空気感染対策は胸を張って行っていると宣言できます。
そして空気清浄機としての機能としては、飛行機に乗る際の注意点vol.1で説明したHEPAフィルターがこの機械には搭載されています。
発熱の方やインフルエンザの方はこの陰圧室を利用しています。
現在この部屋を使用しない場合はドアを開放して陰圧機を稼働していますので部屋全体に陰圧の効果と強い換気が可能です。
この陰圧機が導入されている病児保育施設は少なくとも練馬区では当施設だけです。
日本でも数えるほどしかないのではないでしょうか。
病児保育の感染対策 空気清浄機
さらに追加の空気清浄機も非常にこだわっています。
この機械はMAC1000というものです。下記に商品の詳細を添付します。
https://www.ej-protect.jp/wp-protect/wp-content/uploads/2020/03/mac-1000_catalog2020.pdf
この空気清浄機は業務用のため大容量の換気と消毒効果があります。この機械にもHEPAフィルターが搭載されています。
またこの空気清浄機は高濃度のオゾン消毒も可能です。
そのため病児保育終了後、手の届かない箇所や壁、全てのおもちゃ等の空気が届く全ての箇所が消毒されます!
陰圧機と空気清浄機のダブルの換気、サーキュレーターの使用で常に保育室内の空気は換気されています。
この空気清浄機と陰圧機を2つ導入している病児保育施設は日本でもほとんどないと思います。
病児保育の感染対策 一般対策
もちろん他施設がおこなっているような対策は行っています。
密にならない対応として、保育室は大きく2つに分割しています。その上で、食事や昼寝の際はパーテーションを使用し飛沫感染対策をおこなっています。
接触感染対策ももちろん行っています。
おもちゃや絵本はお子さんには申し訳ないのですが、少し制限しています。
使い終わったおもちゃや絵本はすぐに回収し消毒未のボックスへ、担当スタッフがすぐに消毒しおもちゃの使いまわしがないようにより注意を払っています。
再度そのおもちゃを使用する場合は、消毒済みのボックスからまた貸し出します。
トイレ周辺やドアノブ、椅子等はこまめに消毒を行っています。
病児保育は長くても数日のみの保育です。
そのためお預かりしたお子さんに対しての保育士の数を多くすることで、お子さんに早く安心感をもってもらう必要がありました。
しかし、現在においてはコロナ前と同じように保育すると部屋の合計人数が多くなってしまいます。
お預かりした人数と年齢に応じ適宜保育士の人数を調整し対応しています。
また事前登録の方にはスタッフ手作りのお子様用マスクを無料でお渡ししています。
緊急事態宣言の時期、なかなか子ども用のマスクが足りていなかった際にお渡ししていました。
このマスクはスタッフ手作りです。コロナを一緒に乗り越えましょうという強い気持ちが入っています。
可能な限り3歳以上はマスクの装着をお願い致します。
病児保育について説明してきました。
正直ここまで空気感染、飛沫感染に特化した機器を導入している病児保育施設はないと思います。
もちろんゼロリスクということはありませんが、現時点で考えられるベストな対策を行っていると思っています。
そのため、新型コロナウイルスが流行した後でも基本の感染対策を再度見直し、徹底した接触感染対策を行いながら保育を継続しています。
この説明で、病児保育を利用される親御さんの不安な気持ちを少しでもとることが出来れば幸いです。
クリニックでの感染対策
クリニックでの感染対策は実際に受診された方はなんとなくわかっていると思いますがまとめておきます。
お子さんだけでなく、保護者の方も含め全ての方に入り口で検温をおこなっています。
発熱の方は大変申し訳ないのですが、裏口のテントに移動していただいております。
診察の際はレインコートとフェイスシールドを着用して行い、診察から処方箋のお渡しまで完全に外で完結します。
基本姿勢として、患者毎の手袋の使用と手指消毒、サージカルマスクとN95マスクの使用、予約枠の調整で密にならない待合の人数調整、待合ソファーの数の調整、本と雑誌の撤去、電話での相談による受診の必要確認を行っています。
上記姿勢を新型コロナウイルス感染の流行初期から行っており、珍しかったのかサンデージャポンから取材依頼をうけました笑。
取材はうけませんでしたが、かなり早い段階で感染対策をとったのは間違いないと思います。
まとめ
当施設での感染症対策は、他施設や厚生労働省の提言、各学会のガイドライン等と比較すると少しやりすぎなのかもしれません。
ですが、私や当スタッフが感染してしまうリスクは可能な限り低くする必要があります。
なぜなら、受診する患者やご家族の人に我々を介して感染させてしまうことに繋がってしまうからです。
我々の努力で防げるのであれば絶対にやるべきです。
空間的隔離を行う事、入室時の検温と手指衛星を徹底することで院内感染を予防することは安心して受診できる環境作りの基本です。
私の小児科医としてのモットーは、「患者は我が子であると思い対応する」です。
自分の子ども達をクリニックに受診する、病児保育に預けるならばどういった環境であればよいのかというのを1つの基準にしています。
医療者がお子さんの健康を守ることは大事なことです。
ですが、ほとんどの時間は親御さんがお子さんを見ています。
親御さんが安心して受診してもらえるような環境を作ることも、私はとても大事なことだと思っています。
これから夏本番で気温が高くなります。
熱の方にとっては外での診察のため不快な思いをさせてしまいますがご理解いただければと思います。
写真はJAXAつくば宇宙センターです。
この施設は子どもよりも大人が興奮する展示が多い気がします。
少なくとも私はそうで、子どもより興奮して楽しんでしまいました。
宇宙飛行士は今でも私の憧れです。
医療の分野では、宇宙空間は耳鼻科領域の宇宙酔いが有名です。
宇宙空間を使用した研究は現在でも進行中で、私も何かアイデアがあれば参加してみたいものです。
そして世界一綺麗なロケット発射台として有名な種子島宇宙センターにもいつか行ってみたいですね。
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