この記事では吸入器具について説明します。
吸入器具について ネブライザーについて
吸入器具には大きくわけて2つの種類があります。ネブライザーと定量吸入器になります。まず馴染みがあるネブライザーから説明していきましょう。
クリニックで使用しているのはボヤージというネブライザーです。
クリニックの処置室で見たことがあると思います。ボヤージは本当に壊れません!
この図は貸し出し用のイノスパイアミニになります。ボヤージに比べると耐久性は劣りますが軽いので持ち運びに便利です。ネブライザーのメリットデメリットは下記になります。
メリット:呼吸の同期が必要ない、発作時の対応に優れる、確実に吸入出来る。
デメリット:吸入に時間がかかる、持ち運びが不便、電源が必要、マスクは密着、マウスピースはしっかりくわえる必要がある。初期購入費、故障、部品交換などの管理費がかかる。音が大きい。
最大のメリットは確実に吸入が出来るという点になります。しかし、かなり音がうるさいです。その音の大きさでほぼ全員のお子さんが泣きます。
注意点としては、顔にマスクを密着させる必要があり、1cm離すと吸入量は半分以下になることはわかっています1)。
ネブライザーの種類は実は3種類あります。紹介していきましょう。
コンプレッサー式(ジェット式)
長所:耐久性に優れる、噴霧スピードが早い。
短所:音が大きい、本体が大きい。
ボヤージ、 イノスパイアミニはコンプレッサー式になります。どのネブライザーがよいかというのはありません。オムロンのコンプレッサー式ネブライザ NE-C28や
PARI ジュニアボーイSXとかでもいいと思います。
アマゾンとか楽天とかで安いのを選べばよいと思います。
ボヤージ、NE-C28、ジュニアボーイは大きいです。なのでこれらは自宅用になります。
基本的に10年くらいは耐久性があるイメージです。
持ち運びを重視したい場合は、イノスパイアミニの他に
NE-C803
PARI モバイルS
とかになります。ただし、携帯出来る小さいものは大きい製品と比べて耐久性が劣ります。
約2-3年で使えなくなる可能性がありますので注意が必要です。
次は超音波式になります。
長所:音が静か。
短所:ステロイドのパルミコートが使えない(これは困る。。。)
一応紹介しますが、超音波式は病院で使うイメージです。吸入ステロイドが使用出来ませんし高いので。
NE-U780とかになります。
最後にメッシュ式です。
長所:本体が小さい、音が静か、電池で駆動可能。
短所:耐久性が未確認、機器の種類が少ない、メッシュが目詰まりすることがある。
メッシュ式は音が非常に静かなのでコンプレッサー式で吸入がどうしても出来ない場合は検討してもいいかもしれません。ただし、メッシュが目詰まりするため1回使い捨てのタイプ(NE-U150)だと1枚30円程値段がかかります。
NE-U150
PARI ベロックス(VELOX)メッシュ式ネブライザー
超音波式は音も静かで携帯しやすいですが、少し高いです。それぞれのご家庭で検討してみてください。
ネブライザーの使用方法は動画でも説明があります。https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/sukoyaka/movie/
ぜび確認してみてください。
次は定量吸入器の説明になります。
1) Everard ML, Clark AR, Milner AD. Drug delivery from jet nebulisers. Arch Dis Child. 1992 May;67(5):586-91. doi: 10.1136/adc.67.5.586. PMID: 1599293; PMCID: PMC1793736.
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