当院開業後より
「夜いびきで呼吸がとまっている気がするが大丈夫でしょうか」
「いびきが強いのだけれど扁桃腺をとる手術をしたほうがよいでしょうか」
「常に口をあけているのですが大丈夫でしょうか」
という質問を多数いただいていました。
睡眠時無呼吸症候群や扁桃摘出の手術は耳鼻科領域であるため近隣の耳鼻科の先生へ相談するよう指導していました。
ですが、相談件数が多いこと、積極的に手術を検討したほうがよい症例が一定数いること、当院で生活習慣病専門外来を開始したこと(肥満のお子さんはいびきが多く、睡眠時無呼吸症候群の合併が多い)から扁桃摘出の判断基準の1つとなる検査機器を当院で導入することで、検査結果で直接手術可能な大学病院(主に日大板橋病院耳鼻科)へ紹介出来るようにしていきたいと考えています。
検査は鼻にカニューレを装着して寝てもらう必要があるため大変です。しかし、入院をすることなく機械自体を貸し出して自宅で行いますので、親御さんの負担はかなり少ないと思っています。そして思っているよりお子さんが装着してくれて、入眠後のデータをとることが出来ることがわかっています。
まずは、今回導入する機器の説明をしていきますが、別記事で寝ているときに呼吸がとまってしまっている「睡眠時無呼吸症候群」についても説明していきたいと思っていますのでお待ちいただければ幸いです。
今回当院が導入する機器はフクダ電子の「PulSleep LS-140」という機器になります。
多分7月下旬には機器が届くと思いますので8月から本格的に検査を行うことができるようになる予定です。
では、説明書とパンフレットの内容を説明していきましょう。
この記事の目次
PulSleep LS-140はどうやって装着するか

パンフレットの画像を添付します。この手のひらサイズの小型の機械だけの装着ならよいのですが、大事はポイントは鼻のカニューレです。腹部にこの機器をベルトで装着し、

このような形で寝てもらいます。

指センサーは発光部と受光部がありますので、位置を間違えないように

このようにして装着します。
小児専用の鼻カニューレを使用して実際に入眠中の呼吸をセンサーで感知し、指に酸素飽和度のセンサーを装着し入眠中の酸素濃度を確認、1晩寝ることで計測をおこなうということになります。
鼻や指のセンサーがとれないようにテープで固定してはずれないようにします。
腹部に装着して寝てもらうことで、寝ているときの体位がわかります。仰向けで寝ている時に無呼吸が多いのか、横向きでも関係ないのか等を判断することが可能です。
操作画面
腹部にベルトを巻き、鼻のカニューレを装着して、

この部分のスイッチをいれると計測が開始となります。

画面はこのような形に表示されます。鼻のカニューレがきちんと装着できていれば

機械上部のこの部分が

緑で表示されます。これで準備完了です。オレンジだと外れているため装着し直しとなります。あとはそのまま寝るだけです。(これが難しい)寝た後に装着するのもいいかもしれませんので、例えば1日目の夜は寝る前にベルトまでの装着をしておいてから、寝た後に鼻のカニューレを装着してみるのをトライし、2日目の夜は寝る前から完全に装着して寝てみて計測する等で試してみることが出来ます。

検査時間は8時間で、自動終了設定をかければ勝手に計測が終了となります。
測定計測は24時間ですので、うまく計測が出来なければ3回までトライすることが出来ます。うまく計測出来れば2回で終了となります。
測定出来ましたらクリニックに機器を持ってきていただき、データを解析して後日結果説明となります。
結果説明については次の記事で説明します。
まとめ
いびきで悩まれている方へ少しでもお役にたてるよう機器の説明をしました。
全ての人が対象になるわけではありませんが、大学病院の紹介の前に自宅で検査をして客観的な数値として評価することはとても大切であると考えています。
検査機器の貸し出しは3日間ですので、基本的には1週間に1人の検査で月に最大4人となります。
少しずつにはなりますが、当院で出来ることを増やしていきたいと思っています。
以上になります。
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