前回の続きです。1つずつ説明していきます。
他の3大アレルギーであるミルクアレルギー、小麦アレルギーについても今後説明する予定ですが、この内容の流れで記事を書いていく予定です。
卵アレルギーの除去解除について
まず到達点を確認しましょう。
アレルギーの除去解除の目安は、年齢に応じた1食分を食べることが出来るということになります。
具体的には、学童期で卵1個とマヨネーズ、給食で出される卵料理を食べられること、を確認することがゴールです。
ゆで卵1個が食べられたあとに、低加熱料理にトライします。
茶わん蒸し、プリン、卵スープや卵とじ、マヨネーズという順でチャレンジをしていくのがよいと思います。
卵は加熱の仕方によって抗原性が変化することを前回説明しました。そのため集団保育で提供される食事の形態を複数回試してみて症状がないこと、また体調不良時や卵摂取後に運動等を行ったとしても症状がでないことを確認して除去解除となります。
もちろん除去解除となっても、生卵や半熟卵が食べられるわけではありません。
生卵使用の自家製マヨネーズや温泉卵、カルボナーラや生卵使用のアイスクリーム等は引き続き注意が必要となります。
食物経口負荷試験とは
この食物経口負荷試験に関しては卵アレルギーをもつお子さん毎にかなり個人差があります。
基本的には食物アレルギー診療ガイドライン2016(2018年改訂版)に沿っておこなっていきます。
その内容を確認していきましょう。
まず今まで卵をどのくらいいままで食べられていたかを確認します。
ガイドラインでは、少量、中等量、日常摂取量の3段階で設定されています。下記表を確認ください。
いままで食べられていた量と採血の結果を検討して摂取量を決定します。
決定した量を入院や病院内で摂取し状態の変化をみるのが食物経口負荷試験となります。
このうち、少量である、加熱卵黄1個を食べて症状が出る場合は完全除去となります。
中等量を摂取し症状がでた場合は、そのお子さんが食べられる範囲の摂取を継続し半年から1年後に再度食物経口負荷試験をおこない、食べられる量を増やしていけるかを確認します。
この流れを繰り返していくことで除去解除を目指します
卵を摂取しアナフィラキシーとなってしまった場合はリスクが高いため、当院で卵を摂取するのは危険です。
大学病院へ紹介となります。クリニックレベルでフォロー出来るのかを採血結果とその症状で判断していきます。
食物負荷に関しては症状や採血結果に応じてお子様毎に負荷量の指示が変わります。なかなかブログでお伝えするのが難しいのですが、私が頭の中で考えていることはこのようなところです。
以上になります。
次回は実際の食事指導についてです。これは診療中で説明する時間がないためブログで初めて説明する流れになります。
写真は、牧場でうさぎにエサをあげているものです。相変わらず動物との距離が近い息子です笑
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