絵本の読み聞かせをするとなにがよいの? vol.3 私の考えについて

では最後に、私の今までの人生の話をしつつ、読書についての考え、そして読み聞かせイベントを行った2つ目の理由をお伝えしたいと思います。

私はもともと、本が好きではなかった

実は私は本が好きではありませんでした。むしろ嫌いでした。

小学校の図書の時間に本を読む時間がありました。
それ以外にも小学校の朝の時間に本を読む時間がありました。
小学生の時、なぜこの時間に本を読まないといけないのかが非常に疑問でした。疲れるだけじゃないかと。単純に文字を読むと疲れるのが私は本当に嫌だったのです。
そのため、マンガ風の歴史の偉人伝の本を流し読みをして内容の全体像をざっくり把握していたのを覚えています。

逆に教科書を読むのは好きではありませんでしたが頑張りました。
それは、教科書を読み、テストの点数があがることで親や先生から褒められることは正直に嬉しかったからです。
そのため、どうせ疲れることをするのであれば、活字を読むのは教科書だけにしたいと思っていました。
私の中では文字を読む行為は頑張って教科書を読むことであり、それ以外の本は疲れるから読まないでした。(とても変わっています)

親からはマンガでもよいから本を読めと言われたことがあります。
幼少期、平和台の児童館にいろいろとマンガがありました。確かドラゴンボールの漫画が児童館の本棚の左隅にあったと思います。塗り絵をするくらい当時ドラゴンボールが大好きでしたが、出来ればテレビのアニメ動画で見たかったと記憶しています。それくらい自分から娯楽として文字を読むことを億劫に感じていました。

幸いなことになんとか教科書を読んでいましたので、活字に対してアレルギーがでるということはありませんでしたし、活字を読む体力もありましたが、小説を楽しむ友人の気持ちは全くわかりませんでした。
(医学部入試の論文対策で柳田邦男さんの本を必死になって読んでいたのが懐かしい笑)

育児書という名の教科書を読み漁り、絵本の読み聞かせがはじまった

そんな変わった考えの私が、妻の妊娠、出産を気に育児書を読むようになります。
ここでも教科書を読む動機と同じです
育児の100点を求めて、育児書という名の教科書を読み漁るわけです。(小児科医として、育児相談の対応の幅が広がるためでもありました)

カリスマナニーの教える〇〇、モンテッソーリ教育〇〇、レッジョ・エミリア教育〇〇などなどあらゆるタイプの育児本を読破していきます。(私自身はモンテッソーリ教育の考え方が好きです!)

知識は育児書を読破していけば得られますが、現実はそううまくはいきません。
育児書に書いてあることがあくまで理想論であることを突き付けられます。育児は過酷な重労働です。

ただ、育児書を読破していくことで妻と育児方針を何度も何度も話し合えたことはとてもよかったです。
こういう本の内容だったと読む毎に妻に報告し、こういう育児がいいのではないか、こういう教育方針がいいのではないかと毎日のように討論することが出来たのは非常に有意義でした。
(今でも教育方針については連日討論をしています。)

そんな育児中、妻のご両親から絵本のプレゼントをいただきます。その絵本は以前に妻が赤ちゃんだったときに読み聞かせに実際使っていた本です。

その1冊は「わたしのワンピース 作 にしまきかやこ こぐま社」でした。(クリニックにもあります)

ミシンかたかた、ミシンかたかたが有名な名作です。
妻はこの絵本を見るなり、「この絵本覚えている!面白い絵本だよ。懐かしいなー」と。幼少期の記憶が蘇ったようです。

絵本を見ただけで楽しかった思い出がよみがえるのってすごいよねとなり、(わが子にもこのような思い出をつくらせてあげたいと思いました)
もともとサリーウォードさんの語りかけ育児の本を読んでいたこともあり、1日30分の絵本の読み聞かせが我が家で開始されました。

わが子に絵本を読んでいく中で出た本音の感情は、

「絵本読むのつらいな」

です笑。
読み聞かせをして、わが子が笑っている。
楽しんでいる。これ以上の幸せはこの世にはないのではないか。。。

と思う一方、そもそも聞いているのかわからない、まったく興味を示さないどころか、泣き出す本もある。
読むよといっても、どっかに行ってしまい帰ってこなくなってしまう本もある。この差はなんなのだろうかと。

わが子を観察しながらいろいろと試していくと、そうか!現実のものと本がリンクしている絵本に関しては興味を示すのか(現実で興味を示したものに関連した本がよいのか!)ということが実体験としてわかってきます。

我が家の1例です。
娘は女の子だったのでディズニープリンセスが好きだろうと勝手に思い込んでいました。
しかし、シンデレラや白雪姫、美女と野獣を読んでも全く反応しません。
娘を沼津にある三津シーパラダイスに連れて行った際、イルカに対し指さしをすることを発見します。(イルカが近い!)

その他セイウチや魚にも興味を示します。(セイウチでかい!) 


まさかと思い、モアナと伝説の海の絵本を渡すと食い入るように見るのです。娘は海の生き物に興味があったのです。
幼稚園に入り、まわりの女の子はディズニーランドでドレスを着たがる中、娘はハワイ風の民族衣装を選択するわけです笑 

そして、好きな本が見つかれば、何十回どころではありません、何百回と繰り返し読めと要求してきます笑。これが嬉しくもありつらい。。。

親は絵本を読んでいくと次のストーリーがわかっているため飽きてきてしまうのです。
ですが、子どもは何回だって同じところでゲラゲラ笑うのです。

赤ちゃんの頃は聞いているかわからない、反応がないのに読み聞かせをして意味があるのだろうかと自問自答してしまうことも何度もありこれもつらかった記憶があります。

疲れている中、絵本の読み聞かせをしながら寝落ちしてしまうことも何度もありました。

では、そもそもなぜ絵本が必要なんでしょうか。

いままでの2記事をみれば、お子さんの口頭の言語能力、語彙力があがるため!となります。
ですが、紹介した論文は幼稚園以降の読み聞かせの報告がメインでした。

では、赤ちゃんにとってなぜ絵本が必要なんでしょうか。

この話題に正解はありませんが、児童文学や児童文化というテーマで討論がされていますので紹介したいと思います。

サリーウォードさんの語りかけ育児についての詳細は以前のブログ記事を確認ください。

人間の源は遊びである

オランダの哲学家ヨハン・ホイジンガさんが著書で

「人間の源は遊びである」

と述べられています。つまり、子供から大人まで人間は遊びのために生きているということになります。(そういう言葉があるのだなーくらいで流してください)

遊びについても様々な議論がされていますが、遊びとは

自由で、自発的で、自分のための楽しい活動である」と特徴づけられています。
つまり、親に言われたことをやっていたり、何かの目的のためにおこなう行為は遊びではありません。

公園に連れていき、ブランコを使わせ、後ろの子が待っているから順番だから交代だよ!といって中断する一連の行為は遊びとはいえないのです。
自分の意志で靴を脱ぎ、裸足となり、泥に向かって突き進む。服が泥だらけで笑っている。これは「自由で、自発的で、自分のための楽しい活動である」と思われますから遊びですね。。。親は大変ですけども

本に例えてみると、

本の読み聞かせをいっぱいすれば、わが子が自ら本を読む子に育つのではないか、本から知識を得て賢い子に育ってくれたらいいなーと考えて、子どもに本を読み聞かせをする行為は、子どもにとって遊びではありません。

好きな本が見つかり、何十回、何百回と繰り返し読めと要求してくる本の読み聞かせは子供にとっては遊びとなるわけです笑

人間は遊びを通じて発達することがわかっています。その流れを説明しましょう。

赤ちゃんは模倣、ごっこ遊びから発達する

乳児健診を思い出してみましょう。9-10か月健診でバイバイをしますか?などの模倣動作の確認が入ります。

いないいないばあっ!と顔を隠して親の顔がでてきたら喜ぶ赤ちゃんはこの頃には自分でも模倣して、親へいないいないばあっ!をおこなうことができるようになります。
親の反応をみて喜んでいるわけで、これも1種の遊びととらえることが出来ると思います。

親の行動を真似するところから、2-3歳になるとごっこ遊びへと進化します。
小児科医としては、このごっこ遊び、聴診器と注射器でお医者さんごっこをしてくれているのを見るとほっこりするものです。

このように、模倣、ごっこ遊びを通じて赤ちゃんは発達していくのですが、根源は遊びを通じた行動です。
つまり子どもの発達には遊びを通じて、運動、認知機能の発達が促されていることがわかります。

ここで遊びと絵本の関係を説明していきましょう。

子どもは絵本の中の登場人物や物になりきってごっこ遊びを始めます。そこで疑似体験をすることで知らない世界を経験します。

名作といわれる絵本はこの疑似体験が現実の体験とリンクしやすいテーマが多いのが特徴です。絵本の中に知っているものや体験したことがあるものが出てくると喜びます。これは絵本の中で追体験していると考えられます。

実際、クリニックで絵本を持ってくるのは、年齢によって異なりますが、電車関連の本が多いです。近くに東武東上線があること、踏切があることが要因だと思います。診察が終わったあとも絵本を読み切ってから帰るというお子さんが多いです。
絵本自体が楽しいのもあると思いますが、追体験しているのもあると思います。

ここでいったんまとめましょう!「楽しいから絵本を読む」

遊びを通じて子供は成長、発達する。
遊びの中に模倣やごっこ遊びがある。
絵本の世界で、子どもはごっこ遊びとして疑似体験をする。
現実で絵本の世界と同じものを見たときに追体験し、また絵本に戻って疑似体験することで遊びが繰り返される。
繰り返しの遊びにより運動、認知機能の発達が促される。

この繰り返しが乳児期の絵本の読み聞かせがお子さんに推奨される理由です。

イギリスの児童図書館員であるアイリーン・コルウェルさんが残した言葉、

「子ども時代は、どの子も幸せでなくてはなりません。本は、子どもを幸せにするひとつのてだてなのです」
という言葉があります。

絵本がなぜ必要なのでしょうかという問いについて、今までの言葉を引用してまとめると、

人間の源は遊ぶこと、遊びは自分のための楽しい活動、子どもが幸せであるためのひとつの手段に、絵本を読むがある

となると思います。つまり、楽しいから絵本を読む!となるわけです。

これが読み聞かせイベント開催の1つ目の目的です。
絵本の魅力を知ってもらい、絵本が楽しいことを伝えたい!になります。

絵本の役割

絵本の役割や特徴はいろいろとあると思います。

ですが、妻のエピソード、祖母から絵本の読み聞かせをしてもらった経験が愛情となって受け継がれていくこの記憶は何にも変えられない大切な時間といえると思います。
正直この1点でも十分だと思います。

登場人物になりきることで得られる感情(思いやりの気持ちを養う、登場人物の気持ちに寄り添う)であったり、別の視点で物事を考えるきっかけになるかもしれません。

普段使わない語彙、単語にふれることで言語発達によい影響がでたり、ストーリの展開を予想することで思考力を養うことができるというのは以前の記事でお示ししました。

ただ、親子の楽しい時間を共有したというかけがえのない記憶に勝るものはないかもしれません。

わが子へ思うこと:活字に対して抵抗感をもたないで育ってほしい

私自身は本を全く読まない人間でした。
ですが、教科書を読むことは苦しかったですがなんとか継続することが出来ました。

いろいろと説明してきましたが、私にとって1番よかったことは、活字に対して抵抗感をもたなかったことなのではないかと推測します。

そのため私は、わが子に活字に対しての抵抗感をもたないで育ってほしい

と強く思っています。

なんなら、活字が読めれば最悪自分でなんとか出来る!

とまで考えています。(後ほど紹介するヨンデミー代表の笹沼さんも「読書が出来れば他のことはなんとかなる」と述べられており私と少し考えが似ていたのは嬉しい限りです。)

なぜなら、調べようと思えば本を購入すればだいたい答えは書いてありますし、インタネットで世界中のあらゆる論文を無料で読むことが出来るため、自分で問題を解決することができます。

実際私が記載したブログの記事も10冊弱の書籍の内容と、ネットで検索した日本と海外の論文をまとめただけですから、皆さまもやる気次第で自分で調べることが出来ます。

そして紹介している論文も半分以上は無料で読めます。
そのため、その道の専門家に聞かずとも、調べたいことは自分で調べればわかります。(SNSのおかげで専門家へも直接聞ける時代になりました。)

本やネットで論文などの「活字」を自分から読みにいけるかどうか、この1点がこれからの時代に重要なのではないかと私は思っています。
だから活字が読めれば最悪自分でなんとか出来るのです。
(実際コロナウイルスに関しては論文を読めばそこに正しい情報が記載されているのに、論文になっていない誤った情報がSNS上で蔓延し、その誤ったSNSの情報を信じた方が大勢いたことがあげられます。)

活字に抵抗をもってしまうと、この自発的に調べること、一次情報を検索するという行動すべてにブレーキがかかってしまいます。

ではどうしたら活字に対し抵抗を感じず、学童期に自分からひとり読書をするようになるのでしょうか。

ひとり読書が出来るようになる方法は、、、私もわかりません

この答えは正直わかりません。笑 
なぜなら実際、娘と息子はひとり読みで物語を読むところへ導入することは出来ていないからです。
ベネッセさんの報告では、毎日読み聞かせをおこなえば、ひとり読みをする割合は5割でした。反対の5割に入っていますから私が偉そうに何かを言うことは出来ません。そして、私が小説などを自分から娯楽のために読むことが今までなかったことも影響しているのかもしれません。

どうしたらよいかわかりませんでしたので、「東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書」を読みました。本に助けてもらいましょう。

読んでいただくとわかりますが、中身はvol.2で書いてある論文の内容(読み聞かせだけでない、考え聞かせをおすすめしていたり、ふせん読みをして本の感想を聞いたり、とにかく本を通じて会話をすることを重視されていました)がとてもわかりやすく解説されています。(もしよかったら読んでみてください)

この著者の笹沼さんは、子どもが読書にハマるオンライン習い事、ヨンデミーというサービスを運営されています。具体的にお子さんの読解力を、「ヨンデミーレベル」という数値として可視化し、レベルに応じた本をAIがチョイスしてくれるというサービスです。

とてもよいサービスだと感じました。なんせお子さんの読解力にあわせて本をAIが選んでくれるんですから。最適な本が選べているのか自分ではわかりませんので、子どもの読解力にあわせて候補となる本を複数冊決めてもらえるはとても価値があるサービスです。

ですが、月額料金を支払ってヨンデミーのサービスを利用する方はもともと本に興味をもたれている、親が読書家の方ではないかと推測します。

ただ、この本に素晴らしいことが書いてありましたので紹介したいです。
205ページ、「誰かのため」という利他の心が読み続ける理由になる

と記載があります。
まさに私がわが子の育児を調べるために育児書を読み漁っていたことやこのブログを書くために本を読んでいた事が当てはまっています。

幼少期は自分のための読書は教科書だけでした。
ですが、結婚して子どもが産まれてからは、わが子のために育児書、絵本を、小児科医として勤務してからはお子さんの健康を守るため、また最新の知見を得るため小児にかかわる医学論文を、開業してからはスタッフを守るため、法律や税金について勉強するための本を、経営に関してやスタッフ育成に関してはリーダーシップ等を勉強するためのビジネス書をいままでたくさん読んできました。
いろいろ本を読んできましたが、自分以外の誰かのために読書をしていたのがモチベーションであったことが言語化され腑に落ちました。

だから本を読むのが好きになったのかと。そして、読んだ内容を全部妻に報告することで読書体験を家族に共有する。まさにハマるおうち読書を知らずに実践していたことがわかりました。

ただ繰り返しますが、私はまだ小説にハマってはいません。
前回の記事を参考に我が子に読書を介した会話、討論を続けていき、読み聞かせを続けながら私も物語を楽しめていけたらと思っています。

以上が私の読書と人生についてです。次はやっと絵本読み聞かせイベントを開催した2つ目の目的についての話にうつりますが、当院のコンセプトについて少し説明させてください。

小児科の受診自体がお子さんへの発達の刺激になってほしい

当院の目指すべき目的は親御さんへの子育てのサポートです。以前に院長紹介で記載しました。
感染症を治すだけが小児科ではありません。子育て全般のサポートをすることが目的で開業しています。

ベネッセさんの報告にもあった通り、日本の親御さんは絵本の読み聞かせがよいということはなんとなく9割以上の方が認識しているのはデータとして出ています。

でも実際時間がない、忙しいため読み聞かせの時間がとれない。図書館へ連れて行ってあげたいけど、仕事があり難しい。これがリアルだと思います。

だから、当院はテレビを置かず、動画の視聴はなし、その代わりに100冊以上の絵本が陳列されています。

これらの本は名作といわれているものから多く選択しています。クリニックでの受診の待ち時間を普段忙しいため時間が作れない方に、隙間時間としての絵本の読み聞かせを提供したいという思いがあります。

そして面白いことに、他のお友達が読んでいると自分も本を選んでみたり、なぜかそのお友達の本を読みたがってみたり、いろいろお子さんに刺激的なことが待合室で起きると思います。

個室待合室でも同じです。
毎回毎回同じ絵本を本棚からとるのであれば、それはとてもラッキーなことです。
お子さんはその本に対して興味を示していることがわかったわけですから、繰り返し繰り返し読んであげることでその本から得られる語彙を吸収する可能性が高いことが今までの記事からわかります。

待合室をジャングルにしたり、壁に絵をかいたり、お子さんから見える景色に普段の生活では見られないものを作り刺激を与え子どもの指さしをするきっかけを作る、小児科を受診するだけで本を読む習慣が数分でも生まれる、そしてお子さんの興味のある本を知ることが出来る可能性がある。このような仕掛けを考えて内装を設計しています。

お子さんが熱が出てしまい保育園から呼び出しがかかり、小児科へ受診しなければいけないという行動から、感染症の治療に加え、1回の小児科受診がその子の興味を引き出すきっかけとなったり、お子さんのプラスアルファになれる施設でありたいと私は本気で思っています。

小児科クリニックを図書館のようにしたい

将来的にはもっともっと本を購入してサンスカイ文庫として絵本の貸し出しまでしたいなと考えています。

もはや自然に絵本を持って帰ろうとするお子さんが既に何人もいます。

自宅に持って帰りたい、それくらいその絵本に興味を持ったのなら、お子さんにとっては大チャンスです。

現状は、気が済むまで読んでから帰っていいよとお声かけをさせていただいていますが、繰り返し読みたいと自発的に思ったのならお子さんの語彙力向上チャンス真っ最中なので、そのまま貸しちゃってもいいのかなと最近は思っています。

ただ、開業してまだ3か月。私も含め、スタッフの院内の業務もまだ完全に慣れていないのに図書館の貸し出し業務までさせるわけにはいきません。

それにそもそも内装が完成していません。(ホームページも)
木の本棚の横にさらに大きな本棚の作成を予定していますので、今後の予定ということにはなりますが、図書館みたいな機能をもてばよりお子さんにとって絵本が身近な存在になると思います。

図書館には行かないけど、小児科には来る。
そんなご家族に図書館の素晴らしさを少しでも体感してもらう。
これは小児に関わる大人として、やる価値のある仕事かなと思っています。

そして、病気でなくても病院に来る目的となる、図書館の機能に加えて読み聞かせイベントの存在があれば、もはや就学前の絵本へのアプローチは親御さんがこの記事を読んでいなくても最低限のラインに達するのではないかとさえ思っています。

この図書館小児科クリニックが運用され、追加で自宅で読み聞かせをしているのであれば、十分な絵本の読み聞かせを介した会話へもつながるのではないかと。

前回の記事で紹介した、絵本を介した会話が1番大事でした。
この会話が、クリニック受診をきっかけに進む可能性があると考えています。

図のこの丸の部分です。
自宅で絵本を読んでいなくても、クリニックで絵本を読んだエピソードにちなんだ会話があれば絵本内にある新しい表現によって語彙力は着実に増えるはずです。
年齢ごとに多種多様な本が陳列し、待合室には木のちょっとしたおもちゃ以外は本しかありませんから、お子さんは自然に本を手にとると。(より効果的な本の陳列に関しては元小学校司書のスタッフと相談してベストを探りますね)

親御さんの読み書きの指導がなかったとしても、日本は義務教育で小学校1年生で少なくとも読み書きの指導は入ります。

クリニックの受診は概ね6歳以下ですから、自然と6歳以下のお子さんの絵本への導入はクリニックで最低限担保できるのではないかと私は真剣に考えています。

私の絵本読み聞かせイベント2つ目の目的は、「地下鉄赤塚地域のお子さんを、自然と本好きな子どもたちへ導く」です。

地下鉄赤塚地域のお子さんを自然と本好きな子どもたちへ

サンスカイ受診したら絵本好きになるらしい、とかとても恥ずかしくて面と向かって言えません。
ですが、育児論、教育論は常に討論する必要があり、高いリテラシーを保護者が持つことは前回の記事でも論文に記載があったように大切なことのはずです。

私のこの行動がリテラシーが高いかどうかはわかりませんが、少なくともお子さんの発達に良い面はあっても悪いことはないはずです。

小児科×絵本

これはとても親和性があるよいテーマであると私は感じています。

全国の小児科がこのようなマインドで施設を作れば、もしかしたら本好きな子どもが全国に増え、もっとクリエイティブで、新しい見方の出来る子ども達が増え、今までと違った日本がつくれるのではないかとまで夢をみてしまいます。

たかだか1小児科のクリニックが何を言っているんだという話ですが、子どものこととなると全力となるのが小児科医です。

こんな夢物語を、前の職場の時から家族の食事の会話で話しており、「いつかパパはやってやるぜ!」とか言ってケラケラ笑っていました。
口だけ番長にならないように頑張りたいですね。

以上になります。
長文お付き合いありがとうございました。

写真はわが子たちが産まれた沼津市立病院の入口です。病院の目の前に私たちは住んでいましたが、マンション裏のこの永遠と続く田んぼ道を毎日散歩していました。
右に雲で隠れていますが愛鷹山があり、その奥に富士山が晴れていれば見えます。
夜泣きがひどかった時や育児が大変だった時、もちろん仕事が大変だった時もこの道を散歩すれば癒されました。
私にとってこの道が第二の人生の青春です。あの時の気持ちを大事に毎日頑張りたいです。

2件のコメント

氷川台時代からお世話になり、
現在は赤塚まで通っています。

子供は赤塚の病院を、お猿さんのいる病院と呼んで
病院行くならそこ!みたいになっています。
院内たくさん工夫していただいて、楽しく受診させていただいており
本当に感謝しております。

本編とは関係ないのですが、お子様だけでなく
奥様と仲睦まじく大切にされていることを感じる記事で
何だかほっこりしました。
あまりに微笑ましかったのでついコメントしてしまいました^ ^

^ ^様

コメントありがとうございます。
返信遅れて申し訳ありません夏休みでコメント確認していませんでした。
長文読んでいただきありがとうござます。
家族ともども沼津でも、東京でも楽しく生活させていただいています。

そして、楽しく受診していただいているとのこと本当にありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

能登

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