絵本の読み聞かせをするとなにがよいの? vol.1 まずは日本の読書データから考察

7月7日にサンスカイのと小児科クリニック発の絵本読み聞かせイベントを行いました。

読み聞かせのイベントを開催した理由は2つあります。1つ目は

「絵本楽しいからみんな読もうよ!」

になります。
少なくとも私自身は、子どもの絵本を読みきかせていて純粋に本が楽しいと思いました。
そして、大人になってから私は本が好きになりました。

だから皆さんに絵本の魅力を知ってほしいのです。

とはいう私も、最初から本が好きで読み聞かせをしていたわけではありません。

「本の読み聞かせをいっぱいすれば、自ら本を読む子に育つのではないか」
「自分で選んだ本から知識を得て、賢い子に育ってくれたらいいな」

絵本の読み聞かせを開始した正直な理由は親のエゴだった思います。
ですが、第1子が生まれてから毎晩30分以上、出来るだけ欠かさず毎日おこなってきました。

乳児期の絵本の読み聞かせは本当に大変です。(妻には本当感謝です)なんせ赤ちゃん向けの絵本を何十回、何百回と繰り返し読まないといけないのですから。。。

ですが、年齢があがるにつれて絵本の内容が進化していくと、絵本の魅力にむしろ大人がハマっていくことに、そして読み聞かせを通じて自分が癒されていることに気がつきます。
絵本自体に癒されていることもあると思いますし、子供と過ごす時間に癒されているのかもしれません。

ですが、とてもよい時間なのは間違いありません。なので「絵本楽しいからみんな読もうよ!」です。
そして、イベントの良い点は、いつも読み聞かせをする絵本を、親御さんがお子さんと一緒に「聞く」側にまわれるということです。
親もお子さんの目線で本を読んでもらい聞くという体験をすることはお子さんの気持ちによりそうことになりますし、意外と貴重な経験です。
そのため絵本読み聞かせイベントを開催しました。

ただ、絵本は楽しいから読もうと言われただけで、忙しい親御さんがお子さんへ絵本を継続的に読み聞かせようとはなかなかならないと思います。

絵本の読み聞かせがなぜよいのかをしっかり知ることで、本を読んでもらえるきっかけになればとても嬉しいです。

最後の記事で、イベント開催の目的の2つ目と、私が考えるわが子への考え方を記載したいと思います。

とんでもない熱量で文章をゴリゴリ書きましたので最後の2つ目の目的までたどりつけない方が多いと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

はじめに 言語発達についての振り返り

以前にお伝えした言語発達に関しての記事を振り返ります。まだご覧になられていない方は確認してみてください。

記事の概要は、言語発達は勝手に伸びるではなく、脳が発達するから伸びるということを記載しました。

その上で、子供と一緒に遊んだ経験が言葉の成長につながる、という内容を具体的な方法として紹介しました。

次に言葉の発達が遅い場合どのように接すればよいかということも記事にしました。

概要は、本に興味を持ってもらうために、本の中に出てくる物を実際に見に行こう!でした。

親御さんがお子さんへいっぱい話しかけてあげることでインプットの単語がたまり、その単語の中から本人が興味をもったものが言葉として発出され、その蓄積で単語が増えていくというものです。

絵本は「子供と親が楽しく会話する時間をつくるためのツール」です。絵本を使っていっぱい話しかけてあげましょう!という内容です。

実際絵本の読み聞かせを毎日行うことで、その後どうなったのかという点からお伝えしていきたいと思います。

ベネッセさんが読み聞かせについての日本人のデータを報告してくれていますので確認していきましょう!

日本人のデータ 読み聞かせの頻度と読み聞かせ時間について

ベネッセ教育総合研究所「幼児期の家庭教育調査(2018)」を引用しています。

上の質問1をご確認ください。
幼稚園児においては、月に1回の読み聞かせを含めれば、約9割の方が自宅で絵本の読み聞かせをしていることがわかります。

小学生になると、親御さんからの絵本の読み聞かせの頻度が減っていますが、ひとり読みが開始されますのでその影響かもしれません。
質問2は読み聞かせをしている方の読み聞かせ時間になります。
学年があがるにつれて読み聞かせ時間が減少していることがわかりました。

このグラフからわかることは、就学前の児については約9割の親御さんが少なくとも月に1回は読み聞かせをしており7-8割の親御さんが5分以上読み聞かせているという事実がわかりました。(潜在的に絵本の読み聞かせがよいとわかっているのだと思います)

読み聞かせをしているご家庭のだいたいの割合がわかりました。ご自身の家庭がどうなのか確認してみてください。

我が家の1日30分以上、毎日読み聞かせだとこのグラフで数%です。私としてはもう少し仲間がいると思ってのですが。。。(愚直に継続することが我が家の強みでもあるかもしれませんね)

読み聞かせの頻度が高いとひとり読みをする頻度が高くなる。

ベネッセ教育総合研究所「幼児期の家庭教育調査(2018)」の報告の続きです。

質問3です。年長児の時にどれくらいの読み聞かせの頻度だったかが左側、グラフが小学1年生になったときのひとり読みの頻度についてです。

幼稚園の年長児の際に毎日読み聞かせをしていた場合、小学1年生になったお子さんががひとりで絵本や本を読む(見る)頻度は「ほとんど毎日」が5 割を超えています。

読み聞かせの頻度が高いお子さん程、ひとり読みの頻度が高いことがわかります。

そして入学前に読み聞かせをしてもらったお子さんはその後の読書時間が長いこともベネッセさんの報告で明らかになっています。
(週4日以上読み聞かせをうけたグループは週1日未満のグループと比較し中学生までずっと1.5-2倍の読書量を保っていることもデータででています)

質問4です。幼稚園児は指をさしたり、絵本の内容を質問したりする児が半数以上確認できます。読み聞かせを通して親子のやり取りを楽しんでいる様子がわかります

次の記事で紹介しますが、本を介した親子のやりとり、つまり本の読み聞かせ以外の会話がお子さんの語彙を増やすための重要なポイントになります。

そして少し気になったポイントは、静かに聞いているの頻度です。

年長で63.5%です。5-6歳でも4割は静かに聞けないということがわかります。

よく、本に興味を持ってくれないのでどうしたらよいかという質問を多くいただきます。

幼稚園児でも2人に1人は静かに聞けないということがデータで出ていますから、兄弟のいるご家庭での絵本の読み聞かせは、必ずどちらかがどっかに行ってしまうというのはもはや当たり前ということですね。

次に小学生以上がひとり読みをするデータを確認していきましょう。

学年があがるにつれて読書時間は減っていく

ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査(2022)」の情報です。
1日にどれくらいの時間読書をしていますか?という質問の回答になります。

小学生から読書が0分の赤いグラフの割合が増加していることがわかります。

反対に読書を1時間以上するグループは高校生でも変わらずでした。この小学1年生で1日1時間読書をする多読層は

ひとり読みの読書時間が長いお子さんの特徴をみてみると

  • 蔵書が多い家庭
  • 保護者の方が自分で能力を高めるために勉強をしている
  • 保護者が本を読む大切さを伝えている

の場合に読書時間が長いことがわかりました。前回のブロックで小学校入学前での絵本の読み聞かせが多いとひとり読みの頻度が増え、上記項目があるとよりお子さんの読書時間が長くなることがわかりました。

ですので、お子さんに本を読んでほしいと思っている親御さんは、

まず自分自身が本を読み勉強することで

本を読む大切さを感じ、

お子さんを読書に誘うこと

が必要であるということですね。では、本を読まないで小学生はなにをしているのでしょうか。

学年が上がるごとにスマホの視聴時間が増えている

これもベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査(2022)」の情報です。

スマホを見るのがいけないと言っているのではありません。

現実として、学年があがるにつれてスマホの視聴時間とパソコンの視聴時間は増えますので本を読む時間がない、ということがこの図からわかります。
この頃には本を読むことが娯楽になっていないと難しいでしょう。

私が注目するべきポイントはテレビゲーム、携帯ゲームです。
小学1年生で平均77分の視聴があります。あくまで個人的な意見ですが、親と一緒にゲームをしているのであればいいのかなとも思ったりします。
考えとしては、絵本の読み聞かせと同じです。親子の会話のツールとしての本がゲームであればよいのかもしれません。
そこに会話がありますから。

ですが、1人でゲームをしているとなると、そこに会話はありません。(ネットゲームは?と声が聞こえますが、置いておいて)
やはり親子の会話、兄弟の会話が大事で、そこでの会話から論理的思考であったり、表現、理解が育まれていくと思います。

もちろんゲームから得られるものもいっぱいあるとは思いますが、なんせ私がゲームをしないのでそこはわかりません。

私の場合、あるとすれば、息子と一緒にグランツーリスモのシュミレーターを使用してのサーキット走行でしょうか。
サーキット走行についてであれば、マシンのセッティングやタイヤのデグラデーション、ブレーキングなどデータを見ながら寝ないで息子と話し合えそうです!
やはり親子の会話が大事であることは何回でも伝えたいです。

まとめ

ベネッセさんのデータのまとめをお伝えしました。

日本のデータによると、
幼稚園までの間に毎日絵本の読み聞かせを行い、本を通じて楽しいやりとりを行い、自宅の蔵書を増やし、保護者自身が勉強をして、本を読む大切さをお子さんに伝えることで、お子さんのひとり読みの頻度と時間が増えるということがわかりました。

ちなみに我が家が8年間読み聞かせを続けた結果、、、娘は暇があれば本を読むよりも絵をかいています。息子は車で永遠に遊んでいます笑

私も妻も満足していますけどね。

日本についてのデータをお伝えしました。
次回の記事はアメリカの論文を紹介したいと思います。ここからが本番ですよ!

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