前回のつづきになります。
この記事では検査機器をクリニックに持ってきていただき、得られたデータの結果の見方を説明していきます。
そのため検査をした方だけがこの記事の対象とはなりますが、事前にどのようなデータがわかるのかを理解して検査をすることはとても重要です。
フクダ電子さんからいただいたサンプルデータを使用して説明していきますが、まずは結論から。
1時間あたりの無呼吸低呼吸回数が5回以上、酸素飽和度が90%以下まで低下したエピソードがある場合は大学病院へ紹介となる!
になります。1つずつみていきましょう。
この記事の目次
患者用 無呼吸検査結果 この結果だけわかればOK!
いろいろデータを提示しますが、理解しなければいけない用紙はこの1枚です!

見たいデータの部分は

この黄色の部分です。
この1時間当たりの無呼吸低呼吸回数(REI)というのが1時間に無呼吸、低呼吸になった回数をカウントした結果となっています。この数値が5回以上で大学病院で要精査です。
血中酸素飽和度は、血液の酸素供給が正常に行われているかどうかを、数値にしたものです。

新型コロナウイルス感染症で有名になりましたので上記画像を見たことがある人は多いと思います。フクダ電子さんのパルスオキシメーターの画像の中、黄色の数字です。正常は96-99%です。
実際の機器は

上記のようなセンサーでしたね。
1時間あたりの酸素飽和度が低下した回数と最低値が表示されています。90%以下まで低下したエピソードがあると大学病院で要精査となります。
この方はREIが26回/h、酸素飽和度が42.8回/hで最低値が78%でした。小児であればこの結果だと耳鼻科の先生へ扁桃摘出の適応があるか確認のため紹介状作成となります。
以上が結果の解釈となります。(簡単!)
ここからはより詳細な説明になりますが、重要なのは今の2点ですのでお時間のない方はさーっと読み飛ばしていただいても構いません。
計測結果概要
実際の結果はこのようなデータをお渡しします。

この用紙をもらったら普通に見る気が失せると思います。
ただ、先程の情報は、

ここに記載があることがわかります。さてここで出てくる無呼吸と低呼吸とはなんでしょうか。
無呼吸と低呼吸
いろいろな定義がありますが、わかりやすく表現すると、
- 無呼吸は寝ている間の呼吸が10秒以上止まっている状態のこと。
- 低呼吸は換気が通常の50%以下になる浅い呼吸が、10秒以上続く状態のこと。
になります。どちらにしても回数が多かったり、持続時間が長いことはよいことではありません。
1時間あたりの無呼吸、低呼吸が多いと治療適応という判断になります。
SpO2情報
次は血中酸素飽和度になります。先ほどのデータは

こちらに記載がありますね。具体的に持続時間等の詳細なデータが記載されています。重要なのは、酸素飽和度が下がるエピソードがとの頻度なのか、どこまで酸素飽和度が低下したかになります。
その他の情報
以上のデータを自宅で2回検査していただき2つの結果を照らしあわせて評価します。
その他、呼吸の波形の情報であったり、どの時間帯で無呼吸がおきたか、酸素飽和度が低下する時間帯がどこであったか等の情報がありますが、やはり全体の無呼吸の回数が1番重要です。
2回の睡眠の検査で同じようなデータであれば信憑性が高いと考え大学病院の耳鼻科へ紹介するという流れになります。
まとめ
鼻のカニューレを使用しての2晩における検査は大変ですが、睡眠時無呼吸症候群になっているかどうかを客観的な指標として数値で評価できることは親御さんにとって納得感があると思います。
より詳細な検査となるとポリソムノグラフィーという入院での検査になりますが、いきなり入院で検査を行うのはかなりハードルが高いです。
最終的に扁桃摘出の手術となった場合でも本当に必要な手術だったのかを判断する上でとても重要な情報ですので悩まれたら検査をしたほうがよいと思います。
親御さんが納得して経過観察ができるよう継続してサンスカイで支援していきたいです。
次回は小児の睡眠時無呼吸症候群の疾患やいびきの原因について説明していきます。
以上になります。
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