子供の便秘、どう対処すればいい?保護者のための実践的アドバイス vol.4

ついに4つ目に突入してしまいました。
間違ってこの記事から見てしまった方は、1番目の記事から確認くださいね。
便秘症でお困りの方は1記事目の最初の大きな文字になっている部分だけ覚えていただければOKです。
全ての内容を熟読する必要はありません。気軽にいきましょう!

今回の内容は下剤以外の治療についてです。

便秘症の治療に整腸剤は効果があるのか?

結論から言うと、整腸剤で便秘症は改善しません
便秘症のお子さんに整腸剤の内服で便の回数が改善したり柔らかくなったという報告1,2)は実際あります。
ただし明確なエビデンスはありません。

どうしても下剤の内服をせずに治療したいという親御さんは一定数いらっしゃいます。
その場合、整腸剤の内服に関しては前向きな場合があります。
整腸剤の内服で改善したという報告もあることから、1回整腸剤を試してみて、使用しても改善がないことを親御さんが確認した上で、納得して次のステップとして下剤を使用をするというのはよいのかもしれません。

漢方について

大建中湯、小建中湯、大黄甘草湯が日本では代表的な漢方として使用されますが、乳幼児では味がおいしくないため使用機会は限られます。

漢方に関しては世界でいろいろな研究がされており、イラン、中国、ベトナム、タイなどでは漢方が主な治療法であったり追加治療として認識されています。
実際効果があると報告3)もされています。
下剤の使用がどうしても抵抗がある場合、本人にとって味がおいしいと感じて内服出来のであれば試してみてもいいかもしれません。

あくまで私の主観ですが、
・小学生高学年以上で内服が出来る。
・ストレスや緊張でお腹が痛くなりやすい。
・もうすでに下剤の使用をしていたり、整腸剤を試したが改善しない。

これらの方は漢方が結構効く印象があります。

次は非薬物療法の説明をしていきたいと思います。

食事療法:水分摂取について

食事療法は大きく2つ、水分の摂取と食物繊維についてです。
まず水分についての説明からです。結論から言うと

・水分量が少ないと便秘症のリスクが上がる。
・水分を多く摂取しても便秘症は改善しない。

になります。
水分が少ないと便秘症になるリスクがあがるというのは何となくイメージ通りだと思います4,5)
そのため水分摂取が重要であることは間違いありません
年齢にあわせたアメリカのガイドライン6)に記載されている推奨水分量を下記に示します。

 食事に含まれる水分を含む、1日あたりの総水分摂取量1日あたり飲料から摂取できる水分
0~6ヶ月の乳児母乳、ミルクで700ml 
7~12ヶ月ミルク、離乳食で 800 ml600ml
1~3歳1,300ml900ml
4~8歳1,700ml1,200ml
9-13歳男子2,400ml1,800ml
9-13歳女子2,100ml1,600ml
14-18歳男子3,300ml2,600ml
14-18歳女子2,300ml1,800ml

もちろんアメリカのガイドラインなので対格などで個人差はあると思いますが、結構飲む量は多いです。
前回の記事でも記載しましたが、下剤の内服時はより水分を多くとるほうが内服の効果があがります
ただし、水分のみ多くとっても便秘症の改善、治療にはつながりません7)
予防だけです。
頑張って水分を摂取しても論文上は効果はないことになります。
もう1回言います。
水分摂取は予防のみで、治療にはなりません。悲しい現実です。
下剤の内服で治療をおこない、水分摂取を頑張りましょう!

食事療法:食物繊維について

次は食物繊維です。
これも概ね水分と同じです。
食物繊維の摂取量が少ないことは便秘症のリスクがあがることは報告8)されています。

ですが治療になるというエビデンスはありません。
予防だけです。

もちろん便秘症の児に対し食物繊維を多くとらせた場合、有意に効果があったということを報告している論文や、便秘症の児は健常児と比較して食物繊維の摂取量が少ないということを報告している論文もありますが、そうでないという報告も多数あり、結論が出ていません。

そのため、食物繊維の多い食べ物を積極的に摂取することは決して悪いことではありません。
ただし治すために食物繊維を多めに摂取する行為はあまり意味がないかもしれません。

やはり下剤の内服で治療をおこないましょう!

トイレトレーニング

トイレトレーニングに関してはアメリカ小児科学会9)とカナダ小児科学会10)が推奨する方法が世界的には有名です。この内容を日本語でまとめているサイトがありましたので紹介します。

https://jp.moony.com/ja/tips/baby/childcare/toilet/bm0038.html

おむつのムーニーさんが提供してくれています。
監修者の池田先生は夜尿症(おもらし)で有名な先生です。やはり私のサイトとは出来が違いますね笑
ちょっと長いですが1回読んでおくといいと思います。

私から補足があるとすると、決して怒らないというのは当たり前として、他人と比較しない
になります。
やっぱり他のお子さんがおむつを使わずにトイレに行っているのに、なぜ我が子だけまだおむつなのかと焦ってしまうご家族がとても多いです。
自分でも自覚があると思いますが、リラックスしないと排便、排尿は出来ません。
ましてお子さんが焦っていると排便、排尿は絶対出来ません。
親が焦るとお子さんもわかります。リラックス出来ません。
お子さんとしっかりコミュニケーションをとりながら腰を据えてじっくり待ちましょう。

次にトイレトレーニングを開始する時期についてです。さきほどのアメリカ小児科学会、カナダ小児科学会は生後18〜24カ月を推奨していますがあくまで目安です。
2歳を超えてからでもまったく問題ありません。

そしてやっぱり洗濯が大変ですし、すぐ服を脱ぎやすい春から夏に行いたいたいです
現在は3歳で幼稚園に入るお子さんもいますが、幼稚園に入る前にトイレトレーニングをすませていないといけないわけではありません。
むしろ幼稚園に入園後、他のトイレが出来るお友達を見てスムーズにトイレにいけるようになるお子さんも多いです。(幼稚園の先生もその辺は理解されている方が多いはず!)
なるべくプレッシャーを与えないように、リラックスできる環境を整えてあげることを心がけてほしいです。

排便の正しい姿勢について

排便の姿勢は非常に大事です。上の図で注目してほしいのが、足台があること。そして取っ手があることです。

なぜ必要なのかは下の図11)を見るのとわかりやすいです。

前かがみ、足台を使用することで、直腸を出来るだけフラットにして便が自然に出しやすくする効果があります。
図は大人のですが、小児でも一緒です。
左の場合は直腸に角度が出来ているため便が出にくい構造となっていることがわかります。

おまるには取っ手があることで自然と前かがみになります。
ですが、大人の便座に取っ手はありませんから自然と図の左側のような姿勢になります。

お子さんのトイレトレーニングの時は、必ず足台を使用し、前かがみの姿勢にしてください。
便を出しやすくする環境づくりが1番大事です。
私としてはこの足台やお子さん用の補助便座もお子さんと一緒に選んで購入してあげてほしいです。

お子さん自身で選ぶ、納得して使うという流れは私が育児を行っていく上で大切にしていることです。
自分で選んだものを使うことで、トイレに向かう行動も前向きになってくれると思います。

力まずに便をトイレに落としたい 

大人の痔核の治療の際、排便ではいきみすぎないでくださいと言われます。
理想は便を「落とす」イメージ、力をいれていきまずに、便を「落とす」です。
また大人で多いのがウォシュレットを使用して肛門刺激をしないと排便が出来ないという方もいます。
基本的にはウォシュレットは1番弱くてよいです。また長時間使用しないことが原則です。
痔核の原因にもなりますので注意ください。

そのため、小学生以上のお子さんに関しては便秘症の治療を開始して、便の性状が柔らかくなり落とせるくらいの感覚になってくれば、内服を漸減していくひとつの目安になります。

最後に生活習慣について一言。
朝起きて、朝食を食べる、お腹が動いてトイレに行き便をする。
基本ですが意外と出来ません。
時間がないため、朝食を食べない小学生以上の子が増えてきましたし、排便に行きたかったけど時間がなくて自然と我慢してしまったというケースもあります。

少しだけ時間に余裕をもって、朝食を食べて、便座に座るという生活習慣を見直すこともとても大切なことになります。

以上になります。長くなってしまいましたがお付き合いいただきありがとうございました。
この内容を踏まえた上でかかりつけの先生に相談していただくと、その先生の説明がとてもわかると思いますよ。
以上になります。

疾患や育児について聞きたいことがあれば記事にしますのでコメントいただければと存じます。

1) Wojtyniak K, Szajewska H. Systematic review: probiotics for functional constipation in children. Eur J Pediatr. 2017 Sep;176(9):1155-1162. doi: 10.1007/s00431-017-2972-2. Epub 2017 Aug 1. PMID: 28762070; PMCID: PMC5563334.
2) Wegner A, Banaszkiewicz A, Kierkus J, Landowski P, Korlatowicz-Bilar A, Wiecek S, Kwiecien J, Gawronska A, Dembinski L, Czaja-Bulsa G, Socha P. The effectiveness of Lactobacillus reuteri DSM 17938 as an adjunct to macrogol in the treatment of functional constipation in children. A randomized, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial. Clin Res Hepatol Gastroenterol. 2018 Oct;42(5):494-500. doi: 10.1016/j.clinre.2018.03.008. Epub 2018 Apr 9. PMID: 29650440.
3) Paknejad MS, Motaharifard MS, Barimani S, Kabiri P, Karimi M. Traditional, complementary and alternative medicine in children constipation: a systematic review. Daru. 2019 Dec;27(2):811-826. doi: 10.1007/s40199-019-00297-w. Epub 2019 Nov 16. PMID: 31734825; PMCID: PMC6895286.
4) Comas Vives A, Polanco Allué I; Grupo de Trabajo Español para el Estudio del Estreñimiento en la Población Infantil. Estudio caso-control de los factores de riesgo asociados al estreñimiento. Estudio FREI [Case-control study of risk factors associated with constipation. The FREI Study]. An Pediatr (Barc). 2005 Apr;62(4):340-5. Spanish. doi: 10.1157/13073247. PMID: 15826563.
5) Chien LY, Liou YM, Chang P. Low defaecation frequency in Taiwanese adolescents: association with dietary intake, physical activity and sedentary behaviour. J Paediatr Child Health. 2011 Jun;47(6):381-6. doi: 10.1111/j.1440-1754.2010.01990.x. Epub 2011 Feb 11. PMID: 21309885.
6) Constipation in children and young people: diagnosis and management. London: NICE clinical guidelines, 2017. https://www.nice.org.uk/guidance/cg99 (2024年1月25日アクセス)
7) Tabbers MM, Boluyt N, Berger MY, Benninga MA. Nonpharmacologic treatments for childhood constipation: systematic review. Pediatrics. 2011 Oct;128(4):753-61. doi: 10.1542/peds.2011-0179. Epub 2011 Sep 26. PMID: 21949142.
8) Benninga MA, Voskuijl WP, Taminiau JA. Childhood constipation: is there new light in the tunnel? J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2004 Nov;39(5):448-64. doi: 10.1097/00005176-200411000-00002. PMID: 15572881.
9) Stadtler AC, Gorski PA, Brazelton TB. Toilet training methods, clinical interventions, and recommendations. American Academy of Pediatrics. Pediatrics. 1999 Jun;103(6 Pt 2):1359-68. PMID: 10353954.
10) Toilet learning: Anticipatory guidance with a child-oriented approach. Paediatr Child Health. 2000 Sep;5(6):333-44. doi: 10.1093/pch/5.6.333. PMID: 20177551; PMCID: PMC2819951.
11) Tran DL, Sintusek P. Functional constipation in children: What physicians should know. World J Gastroenterol. 2023 Feb 28;29(8):1261-1288. doi: 10.3748/wjg.v29.i8.1261. PMID: 36925458; PMCID: PMC10011959.

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