前回の続きになります。
この記事の目次
代替食品について
味が嫌いでミルクを飲むことが難しい場合は、ミルクの成分が入っている違うもので代用することが可能です。
ミルク3ml | ミルク25ml | ミルク50ml |
バター10g | パン | 48g前後のヨーグルト |
バター入り加工品 (クッキー) | ヤクルト1本 | チーズ少量 |
ミルク3mlが摂取できれば、バター10g、バター入り加工品の摂取は可能です。25mlミルクが摂取できればパンに代用できるので楽になります。
ミルク100mlが摂取できれば、パン、シチュー、チーズなどほとんどの乳製品の加工品が摂取可能となります。参考ください。
栄養指導について
ミルクアレルギーの場合、タンパク質の補充が必要であり、大豆アレルギーの合併がなければ調整豆乳におきかえることが有用です。
調整豆乳はミルクとタンパク質の量はほぼ同じです(ミルク3.3%、豆乳3.2%)。
豆乳はカルシウム量がミルクの1/3であることは注意が必要です。
実際、3歳過ぎまで乳製品除去をおこなっていたミルクアレルギーのお子さんは、ミルクアレルギーのないお子さんと比較し就学以降の身長が低いことが報告1)されています。
ただし、成長発育に障害が出現した後でも食物除去の解除をおこなうことで身長の伸びが改善することも報告2)されています。
ミルクアレルギーは6歳までに約70%が除去解除となりますが、ミルク、カゼインIgEが高値が継続する場合は解除となりくいことがわかっています3)。
乳糖不耐症について
乳糖とは、ミルクに含まれる糖(ラクトース)のことです。乳糖不耐症とはこのラクトースが分解されないことで下痢になってしまう病態をいいます。そのため、ミルクを飲むことで下痢をするためミルクアレルギーと鑑別が必要となります。
チーズは乳糖が製造過程で除去されるため、幼稚園児以上ではチーズを食べて下痢をせず、ミルクを飲んで下痢をするようであれば乳糖不耐症と推測することが出来ます。
よくある質問
・ミルクアレルギーですが、乳酸菌はアレルギーがでますか?
・乳酸カルシウム、ナトリウムは大丈夫ですか?
乳酸は最初に発見された時に乳から発見されたことでつけられた名前です。関係ありません。
・乳化剤と書いてありますが大丈夫ですか?
水と油がまざっていることを意味します。乳成分ではありません。
注意すべき薬剤について
乳糖は牛乳を原材料にしているため微量の乳タンパクが混入する可能性がありますが基本的には摂取可能です。
ただし最重症のミルクアレルギーの場合は注意が必要です。
乳糖は整腸剤、気管支喘息治療薬のドライパウダー製剤の安定剤に含まれています。
整腸剤としてはエンテロノンやラックビーR散に含まれています。
インフルエンザの吸入薬にも含まれているため、注意が必要です。
乳酸菌自体に抗原性はないのですが、タンナルビンという内服は注意です。タンナルビンは乳酸菌培養の培地にカゼインを含んだ脱脂粉乳を使用しています。
そのためミルクアレルギーの方は使用は控えるべきです。
以上になります。
写真はジャガイモを掘っているところです。
出来るだけ自分の手で土をいじり、食べ物がどのようにして成長して実をつけるのかというのを肌で経験してほしいというのが我が家の方針です。
土をいじるとミミズやムカデ、ダンゴムシ等がでてきます。
子ども達は喜んで、虫を捕まえています。
妻は平気で、私は虫が苦手ですが、子どもの為に、お腹に力を入れて、平気なふりをして一緒に触ります。笑
1) Mukaida k, et al. : Allergol Int, 59 : 369-374, 2010.
2) Yanagida n, et al. : Int Arch Allergy Immunol, 168 : 56-60, 2015.
3) Sato S, et al. : Curr Opin Allergy Clin Immunol, 15 : 250-258, 2015.
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