COVID-19に関するこころの影響について vol.3

以前に成育医療研究センターでのアンケートの投稿をさせていただきましたが、第2回の結果がでました。
原文は下記になります。
https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/report/CxC2_finrepo_20200817_3MH.pdf

ものすごく長いのですが、お時間のある方はぜひ一読していただきたいです。
結果の最後の方にある実際の子どもの意見だけでも見てほしいです。
内容は非常に切実で、大人の我々が何か出来ないのかと考えさせられる内容です。

あまりに長いので少しずつ抜粋して紹介します。

調査の対象と目的

全国の7~17歳の子ども、17歳以下の子どもがいる保護者6,772人(子ども981人、保護者5,791人)が回答されています。

第2回の調査実施期間である2020年6月~7月は、休校・休園していた多くの学校や幼稚園・保育園が再開されて間もない時期で、主に都市部では再度感染者数が徐々に増えはじめた時期です。
その期間の子どもたちの健康状態やQOL(生活の質)、急性ストレス症状、家族との関わりやトラブル、保護者の心の状態、ヘルスリテラシー、差別や偏見(スティグマ)、いじめ、子どもたちが大人に言いたいことなどを回答する方式です。

コロナに関連した差別や偏見(スティグマ)が、こどもたちの周りに押し寄せている

こどもの 32%が「もし自分や家族がコロナになったら、そのことは秘密にしたい」
47%が「もし自分や家族がコロナになったら、そのことは秘密にしたいと思う人が多いだろう
22%が「コロナになった人とは、コロナが治っても付き合うのをためらう(あまり一緒には遊びたくない)」
40%が「コロナになった人とは、コロナが治っても付き合うのをためらう(あまり一緒には遊びたくない)人が多いだろう
と回答した。

「あなたの周りで、コロナに関係があるいじめやトラブルは ありますか?」の質問に
1%が「自分がいじめられている」
3%が「いじめられている人がいる」
8%が「いじめではないが、友だちとの関係に(自分が)悩んでいる」
6%が「いじめではないが、友達との関係に悩んでいる人がいる」と回答した。

ストレス反応を呈している子どもは7割

全体の 72%に、何らかのストレス反応・症状がみられました。
小学生では低学年/高学年ともに「コロナのことを考えると嫌な気持ちになるが」が、中学生・高校生では「最近、集中できない」が最多の結果でした。

保護者回答の子どもの変化について

自由記載による今回の期間によりお子様の気になることはありますか?という質問の回答。

・癇癪が増えた
・暴力、攻撃劇になった、とにかく怒りやすい、イライラしていることが多くなった
・目のチックがでた、咳がとまらず咳チックと診断された、しゃっくりが自宅でずっとでる
・ゲームに依存している、テレビをずっと見ている、スマホをずっと見ている
・夜驚症が悪化、すぐ泣くようになった
・分離不安(母が見えなくなるとすぐにママどこー?と呼ぶ)
・人見知りが悪化した。人と会っていないため人見知りをしたかわからない
・爪髪、抜毛、自傷行為がでた
・蕁麻疹が悪化、アトピー性皮膚炎が悪化
・甘え、退行(以前にできていたこともママに手伝ってもらう)
・外出をしぶる(誰かに会うことを嫌がるようになった)
・便秘が悪化、下痢が悪化
・おもらしが再燃、悪化した。頻尿になった
・昼夜逆転
・体力低下、運動不足
・円形脱毛がでた
・頭痛、腹痛が継続する
・集中力、意欲の低下
・死にたくなった
・不安(手にばい菌がついていなか心配、給食が怖い)
・食欲がない

上記内容は当クリニックでも多くのお子さんが症状を訴えて相談されています。

親子のかかわりについて

小学低学年のこどもの 33%が「どなられた」、14%が「たたかれた」と回答した。

保護者の回答では全年齢で「感情的に怒鳴った」が最多で、未就園児で 44%、3~5 歳児で 75%、小学低学年で
70%、小学高学年で 59%、中学生以上で 34%が該当した。

保護者のこころの状態

「こころに何らかの負担がある状態」が 63%を占めた。
「深刻なこころの状態のおそれがある」は全体の 20%を占めた。

おとなたちに言いたい・伝えたいこと

抜粋して少し載せます。

・色んな大人たちへ。飲み屋さんとかで大人たちが騒いでいるのを見ると、私たちが普段学校とかでしている対策は何なんだろうなと思う。(中学女児/島根)
・テレビのインタビューとかでも親世代の人が「子供がずっと家にいるのがストレス」って言ってるのをよく見るけどそれは親だけじゃなくて子供も同じだし、目の前で自分の存在を否定されたらつらい。子供は所詮子供だから偉そうなことを直接言えないのに一方的に押し付けられるのは理不尽というか、不平等な気がする。(中学女児/埼玉)
・子どもをバイ菌あつかいしないでほしい。(中学女児/愛知)
・コロナの事を考えると、心が悲しくなる事がある(コロナの事を考えなくてもそうなることがある)(小学中学年女児/神奈川)
・マスクが暑くて苦しいので、学校でもはずしたい。学校で新しいお友達ともっとお喋りや遊びをしたい。小学低学年女児/神奈川)
・新型コロナウイルスの薬を作っている人たちへ、私はもし友達が新型コロナウイルスにかかっていても友達をきずつけません。わけはきずつけられた子が、かわいそうだからです。わたしは、できるだけたくさんの子に「ともだちは、大事にしたほうがいいよ。」とつたえたいです。みなさんもがんばってください。(小学低学年女児/大阪)

著者のまとめ

例年、8月下旬~9月上旬にこどもの自殺が多く、夏休み明けを迎えるこどものこころへの負担が指摘されています。こどもたちに例年以上のストレスがかかっている今年、夏休み明けのこどもたちの心の負担が懸念されます。こどもたちが少しでも安心して毎日を過ごせるように、家庭や学校などで周囲のおとなができることはたくさんあるはずです。この調査が少しでも、それについて考えるきっかけになれば幸いです。

と述べています。

私の思う事

実際に当クリニックでもこころの影響としか考えられないような症状を主訴に受診される方が本当に多いです。

診察や検査で疾患が隠れていないかをまず確認します。それでも異常がみられない場合に初めてこころの影響とします。当院では小児神経の専門外来が月に1回ありますので、悩まれている方はぜひ利用していただければと思います。

親御さんから、我々はどうすればよいかと質問されます。
やはりお子さんのお話を毎日親身に聞いてあげる事が大事だと思います。
お子さん自身も気がついていないストレスで症状がでている可能性もあります。
お子さんが親御さんにお話をすることでストレスの解消につながると思います。
また、子どもの話から悩んでいる原因をつかめるかもしれません。
1日の最後に本日あったことを家族で振り返る時間を作るのもいいと思います。

親御さん自身もコロナの影響でストレスを感じていると思います。
実際データでも精神的な影響がでていることが証明されています。
親御さん自身もこころの影響で苦しんでいる場合は、心療内科等でカウンセリングを受けてみるのも良いかもしれません。第三者に話をするだけで、少しでも気持ちが楽になることもあると思います。

私も出来る限り不安が取り除けるよう努力して診察にあたります。

少しでも晴れやかな気持ちになれるよう、きれいな空の写真を選びました。

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